ホンダアコードワゴン様　少し角ばった個性的なデザインがとてもお気に入りということで大切にお乗りいただいているお客様。ただ、残念なことに塗装が全体的に色褪せていて所々劣化が激しく塗膜が剥がれている状態です。今回、思い入れのある大切なお車をオールペイント(全塗装)で蘇らそうとご依頼を頂きました。
今回は予算との相談により全面を研磨してサフェーサという下地塗装を施し旧塗膜を押さえ込みオールペイントすることになりました。

塗装の劣化がとても激しいですね。色が全体的に薄くピンク色になっており所々激しく剥がれて劣化しています。
下地を丁寧に作りこむためにも外せる部品は全て外して作業を行いました。
但しなるべくコスト面も考慮して再使用できるものは再使用して部品代を抑える工夫をいたします。

まずは小部品から上塗りしていきます。
色の説明になりますがこの純正色はとても隠蔽性（いんぺいせい）が悪い塗色なのです。隠蔽性が悪い　とは透過性が高く塗っても塗っても下が透けてしまう色ということです。その分、透明感があり鮮やかな発色になるのですが　色を染めるまで何度も何度も塗らなければいけないため塗料の使用量も多くなりますし　塗る手間も非常にかかる色なのです。

ゴミや埃を落とすため隅々まで洗ってからしっかりと乾燥させてマスキング作業を行いサフェーサ塗装いたしました。
ここまでくれば何とか完成がイメージできてくるので楽しみになってきますが　ここまでの作業はそれはそれは大変です。
ガラスを外していますのでマスキングは特に慎重に行います。
塗装作業でブツというゴミを付かないようにするにはこのマスキングの仕方もとても重要になります。
3キロ程度の圧力でスプレーしますのでマスキングが悪いと眠っている埃やゴミを起こしてしまい舞ってしまうことになります。全ての作業を丁寧に慎重に行う必要があるのです。

サフェーサ塗装後に強制乾燥を行い　全面を丁寧に研磨して平滑な状態してからいよいよ最後の上塗り作業となります。前述したように隠蔽性が悪い塗色なので　色が決まるまで何度も何度も重ね塗りいたします。スプレーガンを持っている右手がガクガクになるぐらい疲れる作業ですが（笑）綺麗になっていく車を見ると非常にやりがいのある楽しい塗装となりました。
塗装している瞬間はとても緊張感のあるとても楽しい時間です。塗りこみ過ぎれば塗料が垂れてしまうし　ビビリながらの塗装だと塗りこみが甘くなりザラついた酷い肌になってしまいます。この加減が難しく　ただそこがやりがいがあり楽しい仕事ですね。

最後にポリッシュ作業を行い　今回は同時にご依頼いただいたヘッドライトと全面のボディコーティングも施工し　全ての部品を取り付けして完成となりました。オールペイントは板金塗装作業の全ての作業が必要となる難しいお仕事です。小さなキズやヘコミを見落とせばやり直し。下地作業が甘く歪が残ればやり直し。サフェーサ塗装が下手で荒い塗装になれば上塗り塗装の仕上がりも荒くなります。ブース内が汚くて塗装環境が整っていなければブツだらけで酷い仕上がりになります。又、環境が整っていない状態でオールペイントを行えば作業者の健康に悪影響を及ぼすのは間違いありませんね。

日本では「新車」に乗ることがステータスと思われがちですがヨーロッパなどではおじいちゃんやお父さんの乗っていた車を丁寧にメンテナンスしながら大切に乗る事も同じように評価されるようです。
そう考えると自動車の修理　 鈑金　塗装修理工場は環境に優しく　大切に永く使うことをお手伝いさせて頂ける魅力ある仕事という事ですね。板金塗装作業に関わる全ての条件が揃っていなければ高いレベルのオールペイントはできないと思っていただいて間違いないと思います。大切なお車の修理やオールペイントはジコプロ加盟店へご相談ください。